「中古住宅って、住宅ローンが組みにくいのでは?」
そう感じる方も多いかもしれませんが、実はその心配はほとんど不要です。
築年数が古い物件でも、住宅ローンで購入される方は数多くいらっしゃいます。
実務では、新築と大きな違いはなく、多くの金融機関でスムーズにローンが組めます。
この記事では、中古住宅に関する住宅ローンの審査や金利のポイントについて、
桜リビングの実務経験を踏まえて分かりやすく解説します。
1. 築年数は問題にならない。完済年齢と返済期間が基準
「築30年以上の家でもローンって通るんですか?」というご質問をよくいただきますが、
実際には、築年数そのものが審査に大きく影響することはありません。
重要なのは、完済時年齢が80歳未満であることと、返済期間のバランスです。
たとえば39歳の方であれば、完済時年齢80歳(79歳以下)を基準にして、最長40年間のローンが設定可能です。
多くの金融機関で、築30年や築40年の住宅でも問題なくローンを利用できています。
2. 旧耐震でも住宅ローンに支障なし。金融機関はほぼ気にしません
「1981年6月以前の“旧耐震基準”の物件ではローンが通りにくい」といった情報も見かけますが、実務ではほとんどの民間金融機関で“耐震性”そのものが審査に含まれていません。
実際の審査では、
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●年収
●返済比率
●職業・勤続年数
●借入額の妥当性
といった申込者の個人属性が最も重視されます。
建物が旧耐震であるかどうかがローンの可否に影響するケースは、ほぼありません。
※ただし【フラット35】をご利用の場合は、別途「耐震基準適合証明書」の取得が必要です(後述)。
3. 売買価格と担保評価の差も問題なし。属性次第でフルローン可
「評価額より売買価格が高いと、フルローンが難しいのでは…?」
と心配される方もいますが、こちらも大きな誤解です。
現在の多くの金融機関では、担保評価よりも個人の信用力(属性)を重視して審査されます。
評価額より売買価格が多少高くても、問題なくフルローンが通るケースは多数あります。
また、諸費用やリフォーム費用を含めた“オーバーローン”にも対応している金融機関が増えており、
この点についても、審査が特別厳しくなることはありません。
4. 金利は新築と同じ。安心できるプラン選びがポイント
中古住宅だからといって、住宅ローンの金利が高くなることはありません。
選べる金利タイプは新築と同じで、以下の2つが主流です。
■ 民間ローン(銀行・信用金庫・ネット銀行)
●変動金利型:金利が低く、月々の負担を抑えやすい。ただし金利上昇リスクには注意が必要
●固定金利型:金利が変わらず、返済計画を立てやすい。将来の金利変動に左右されない安心感がある
ほとんどの民間ローンでは、中古住宅でも新築と同条件で借入可能です。
築年数や耐震性で金利が不利になるようなことは基本的にありません。
■ フラット35(住宅金融支援機構)
●全期間固定金利で安心感がある
●正社員でなくても柔軟に対応してくれる
●【重要】物件が一定の技術基準に適合していることが必須条件
特に注意すべき点は以下の通りです。
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築年数の制限はありませんが、「適合証明書」の取得が必須
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旧耐震の建物は、耐震補強や設備の基準を満たすリフォームが必要になることがあり、費用と手間がかかる場合があります
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そのため、すべての中古物件が対象になるわけではなく、購入前に適合可能かどうかを事前に確認することが非常に重要です。
5. 「借りられるか」より「どう借りるか」が大切
中古住宅における住宅ローンは、「借りられるかどうか」よりも、
どんな条件で・どんな金融機関で・どんな金利で借りるかが重要です。
桜リビングでは、
●購入予定物件のローン可否チェック
●お客様に合った金融機関のご提案
●オーバーローンや諸費用込みのシミュレーション
●フラット35の適合可能性の事前確認
など、物件選び+資金計画の両面からサポートを行っています。
まとめ|住宅ローンは「築年数」ではなく「返済計画」で決まる
中古住宅の購入において、住宅ローン審査における不利な要素はほとんどありません。
築年数や旧耐震といった点も、民間ローンでは原則として問題視されません。
大切なのは、年齢・収入・返済年数などを含めた資金計画です。
無理のない返済プランを立てることで、安心してマイホーム購入を進めていただけます。
次回予告|
「“そのまま住める”中古住宅と“要リフォーム”の見極め方」
実際の見学ポイントと、リフォームの目安についてご紹介します。